問いを立てる(授業書き起こし)

授業の文字起こしを提供したいのでちょっとお試し用のページです。動画埋め込んでますけど、このページとは別画面で再生した方が見やすいと思います(やり方もう少し工夫したいですがとりあえず・・・)

科目共通:問いを立てる

初出:2020年度後期 経営入門 第13回問いを立てる

ユニクロについて、気になったことを問いとしてたててみましょうというような期末レポートについての解説というコンテクストでお話ししました。

問いを立てるとか、興味関心を育てるということについて話している回です。毎回提出してもらう授業コメントの記述で鍛えたいのは、自発的に社会の一部を切り取って何かを考えてみるという姿勢であることを理解してもらいたく、各授業の冒頭で見てもらおうとおもいました。また授業が進んだらその段階でもう一度見にきてもらえるといいとおもいます。

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期末レポートの後半戦ということで、どういうように問いを立てればいいのかと、問いを立てるとはそもそもどういうことなのかということについて、今日はお話をしていきたいと思います。


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中等教育(中学校と高校)と、大学とか大学院のような高等教育の違いというのはまず一つ非常に大きな違いは教員として研究者が教えているという点があります。
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大学教員というのは中学や高校の教員と違って教えるプロではあんまりなかったりするんですよね。
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教員免許みたいなものがあったりするわけでもないし、教え方に関する何らかの標準を満たしているわけではないんです。逆にプロフェッショナルとしての本質はどこにあるかというと自分で調査研究を立ててそれを遂行することができるという特徴があります。
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学ぶといっても教科書がないようなところを勉強していくということのプロであるということですね。
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教科書って誰かが書かなきゃいけないんでそれを書く側である。
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中学校や高校の教科書のどこかには大学の先生が書いていたりするわけでそこで何を学ぶべきなのかというようなことを決めるということ自体がフロントラインとして重要になってくる。
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だから大学教員の免許を作るという方向に我々は努力する代わりに、自分で研究ができるかどうかというようなことによって大学の教員というのは採用の際に論文によって審査される。その能力を使って教育をしつつ研究をするということでやっていくというような状態になっております。

最初のうちは皆さんはまだ1年生とかだったりするんで教科書を使って勉強するというようなことができるんですけれどもいつかその教科書を書いてくれる人間はいなくなるわけです。
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自分で問題を立てて自分でそれを解くというようなことをしないと先に進めなくなってくる。
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でその練習を4年間かけてやっていくというような側面があるということです。

問いをどうやって立てるのかということですけれども。
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研究者でも論文の中に書くというのは結構曖昧な部分から始めたりもするんですけれども最終的に1個の論文には必ず1個以上なるべく1個のリサーチクエスチョンにまとめるようにします。
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リサーチクエスチョンと問いというのはちょっと違うかな。
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リサーチクエスチョンというのはなんなのかというと、人が頭の中でいろいろ考えている中でも検証可能なように変数間関係を一部切り出してやったりそれについての言明です。
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曖昧な部分から一部を切り出してやって、論文にするというようなことをやっているわけです。
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例えばですね。
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最近グリット(GRIT)という継続してやりとげる力みたいなものに関する本を読んだんですけれども漠然とした問いとしては才能と努力というのがあったとしてどっちの方が正解に結びつくんだろうみたいなことが最初のイントロでは書かれているわけです。
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才能も大事だけれども努力できるということも大事なような気がする。
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これはどっちがどういうふうに結びついてるんだろうとかいうようなところがある。

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ところが第3章ぐらいまで読んでくると人は才能の認識っていうもの自体が結構バグりやすいんだというような話が出てくるんです。
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人は他人の圧倒的な成果を観察してでもその努力の背景っていうのが想像にも及ばないようなとき、あるいはそのプロセスを見ていないときにその圧倒的な成果というのは才能によるものだというように原因帰属しがち、そういう解釈をしがちだと。
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だから我々は他人の結果を見てそこから才能なのか努力なのかっていうのを割り振りをするときに、あまりにもすごくてあまりにも努力のプロセスが見えないときは、才能があるんじゃないのと勝手に判断しちゃうとようなことがありがちなんじゃないかという研究です。このように、才能と努力の関係の中でも、特にその他人の成果の観察に関する原因帰属のところだけに絞ってやるというようなことが第3章くらいでなされていたりするんです。
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なので。
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問題って結構曖昧なわけです。
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努力って何だろうとか才能って何だろう。
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一個一個の概念の定義もしていかなきゃいけない。
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じゃあ努力できる才能というのもあるんじゃないのとか。
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いいだしそうですね。
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この二つをだんだん切り分けられないかもしれない。
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才能を捨て伸ばせるものなのかそれとも全く伸ばせないものなのかとかそういうようなところも気になってきたりする。
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だから成果はどうやって測っている。
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でそのあいだの環境はどうなってるんだろうみたいにいろいろ考えたいことがあると言うようなときにもうちょっと限定していると成果を観察する。
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高い成果が出ましたよというのを観察していくプロセスの方が観察できなかったときにある種才能っていうような原因帰属になりがちなんじゃないかと。
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これだけを解決したとしてもこの全体に繋がる全体のうちの一部にしかならないわけですけれども解ける問題を解けない問題の中から切り出してやるというような作業が必要になるわけです。
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だからおんなじように高い成果を見たとしてもその努力のプロセスというのを毎日横で見ていたらそれは才能だとは思わないんじゃないかというようなところがある。
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なのでこういうような変数間の関係について考えてやると世の中で言われる才能が大事だよねとか才能ってすごいねっていうような話の一部はただ観察していないことによるんじゃないかというような推論をしているとのことです。
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なのでだんだんその漠然としたものから特定的な問いに育てていくというようなプロセスがあるわけです。
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1回書いたらおしまいというわけではなくて何回も何回もリサーチっていうのは繰り返す。
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サーチ(search)は調査ですね。
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リサーチ(research)というのはサーチ(調査)を繰り返す(re)というような意味があるわけです。

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他の例。例えば学部の1年生なんかはよくある2年生とかでもゼミに入りたい時とかある言いぐさとしてマーケティングに興味があるんです。
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というような言い方をする学生がいます。
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ところがこれだけだとどうしようもないとようなところがあるのでいろいろと教科書を読んで勉強するとかもそうなんですけれどももうちょっと絞っていくというようなことが必要になってきます。
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でこのゼミ生とちょっと話してですね。
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パッケージデザインに興味があるんですよね。
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印刷博物館で何かそれのいいパッケージデザインの受賞と言うみたいなのをやってたから見に行ったんですみたいな話を聞いたんです。
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で僕も実際サイトとかを見たんですけれども当時はパッケージデザインっていうのがマーケティングの全体の中でどのくらい影響があるものなのかいうのを調べるというようなことはリサーチクエスチョンになるんじゃないだろうかということで例えばですね。
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製品の中身がどのくらい重要なのかというのは例えばペットボトルのお茶をお茶だけ出してどんどんラベルなのかというようなことを外してやるとブランドを外してやってもちゃんと消費者は生茶を生茶として認識できる。
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伊右衛門は伊右衛門として認識できるかというのは例えば製品の影響力を調べるときにそういうようなテストをするわけです。
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逆に言えばパッケージデザインの方というのはブラインドテストをするときはそこを書く人なのであんまり考えられてこなかったわけですね。
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ところがペットボトルで最近ラベルデザインとか言ってペットボトルのラベルを外すようなケースもあるんです。
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ちょっと面白い。
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これ何だと分かりますか。
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最初からこの状態で、箱(24本入り)で買ったんですけど。ペットボトルがこの状態で箱に入っているんですね。
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サントリーの天然水という炭酸水なんですけど、このパッケージだけを見てそれが当てられるかどうかというようなところを見てやると。
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ペットボトルのデザインが外形的な形っていうのがブランドの認知に対してどのくらい寄与しているのかということがわかるでしょうね。
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このラベル何ではがすようになったかというとラベル捨てるときにはがさなきゃいけない面倒くさいというところで最近ラベルデザインというのが増えてるのでこれはどんどんやっていくと。
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このペットボトルの加工技術ってすごく大事になるんじゃないかというようなことがわかったりするわけです。
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その最初のマーケティングに興味があるだけだとちょっとどうしようもないんですけれどもだんだんだんだん特定していくとですね。
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リサーチクエスチョンにつながっていく。


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最初のうちはどうしても一変数だけについて考えざるを得ないというようなことで事実を知りたいとどうなっているのか知らないので知りたいと言うようなタイプの問いになりがちです。
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例えばですね。
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僕結構今度デイリーポータルZというサイトが好きで割とよく見ていたりするんですけれどもそういうようなエンターテインメント系統のサイトでも、ものによっては非常に目の付け所がいい。
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それだけで記事になるようなタイプのものもあったりするんですけれどもだんだんその周辺の変数を見つけてやってにつなげていくというような作業が必要かなと思います。
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例えばこの1個目の印刷物のやつは街の中にあるのぼりとかを見ていく記事なんですけれどもそれを見ていくと上りの仕様の決定の仕方みたいなのがいろいろ出したり高価であるとかあるいは掛けられるコストであるとかそういったところで決まってくるというようなことが分かってくるわけですね。
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なので最初は例えば街の印刷物に興味があるとか銭湯の鏡の横に出してる広告とある何なんだろうとか最初はその手の何か1個対象を決めて調べていくというようなところから始まるんですけれどもだんだんだんだん2変数以上の変数環境について考えてやるというようなことが大事になってきますね。
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例えばYouTubeの動画で、有名人がなんで焼肉屋さんを始めたがるんだろうかと言うようなクエスチョンを出しているものがありました。
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これは3つぐらいの変数間の関係があるわけですね。1つは有名芸能人はなんで飲食店を起業し始めるんだろうかっていうのが1つあってさらにじゃあなんで焼肉屋になりがちなんだろうかというようなところも多いかというようなところでそれぞれの理由について考えていくとこれは何かと動画を見なくてもと想像ついちゃうので独自性という観点からはちょっと評価がむちゃくちゃ高いというわけではないんですけれども。
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学部生の卒論としては例えばこのくらいのレベルでもいいので変数間関係についてなんでこうなってるんだろうというような問いとして立てられると良いんじゃないかなと思います。

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問いを立てたら、次に大事なこととしては仮説を複数立てるようなことが大事になってきます。
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みんな一個しか考えないというようなことを結構やりがちなんですけれども広く調べてやるようなことが大事です。
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例えばですね。
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不正のトライアングルという有名な考え方があるんですけれども、不正を起こした人を見たときに、なぜその人は何らかの不正とか不祥事とか犯罪とかを犯してしまったんだろうかというようなことを考えるときの考え方が三つあるんだという理論です。
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一つは不正を行う機会がある。目の前に財布が落ちていたで拾っても誰もバレないと言うようなそういうチャンスがあるから不正を行うんだという理屈です。
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二つめは、不正を行う動機があるということで、今非常にお金を困っているというような動機があると不正を行う。
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三つめは、不正を正当化する理由があると言うことで、たとえば今は非常にお金に困っているのに社会は誰も助けてくれなかった。
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そういうような社会のルールというのを自分が守る必要はないんだとかかそういうような正当化をするような理由があったりする。
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あるいは罪を犯してでも、今の子供がお腹をすかせているので何とかしなきゃいけないんだと。
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そういうような何らかの正当化を自分の中で行うような理由が提供されると不正を行いやすくなる。
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だから不正が何で起こるのかというようなことに対して悪人だからだと言うような一個だけにそれじゃなくていろいろとそういう状況証拠というのがいろんなパターンがあるんだというようなことを幅広く見て仮説を立てるところぐらいまでをレポートではやってもらえればと思います。
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実際にそれを検証する必要はないので、何でなんだろうぐらいまではやっていただければいいんじゃないかなとおもいます。

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その後、それぞれの仮説がどうやったら検証されるのだと言えるのかと言うようなことを考えるのもリサーチクエスチョンを具体化していくうえで大事なところです。
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ひとつは判定ができるようにこれ以上とかこれ以下とかというような客観的な評価基準を用意してやるというようなことは一つ大事ですしあとは調査をする前に宣言をしてやるというようなところがあるかと思います。
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水曜日のダウンタウンというテレビ、僕あんまり見たことないんですけど、芸人がプレゼンターとして、一個説を持ってくるんですね。
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なんとかなんとかの場合は何とかという説で、実際に説が立証されるかどうかというのをVTRで確かめるみたいなくくりになっているんです。あの番組の構成上やっぱりどうやったら立証と言えるのかというような部分多少もうちょっと厳格に行ってやったほうがもっとリスクが取れるというか、リスクを取るからこそ面白くなる部分はあるかもしれないと思いました。学術的な文章でも一緒で誰が見ても判断できるというような状態にしておくし立証されなかったとしたらどういうときなのかというようなことをちゃんと明らかにしておくことでかえって説得力が増すんだということが重要になってくると。

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最初のうちはですね、調べたら答えが出てきちゃうと要するに世の中ではわかってるんだけど自分が知らないだけというようなところが大きいです。
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これはプロでもわりとそういうようなところがあってそれをやっぱり完全なオリジナルと言うのはすごく難しいんです。
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例えば歴史学とかで今までになかった史料を発見したと言うようなものだったなと独特の光景に完全なオリジナルな貢献になりやすいですけれども、プロでもわりとそういうオリジナルじゃないところで勝負をしていくこともあります。
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だからデータ自体はそこらへんにあるものだけれども今までまとまってなかったものをまとめましたよとか整理の仕方がしかも独特ですよとかそういうようなところで自分の社会に対して提案している価値っていうのは何なのかというようなことを考えていくというようなことも大事です。
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なので価値のないものの典型例としては検索してすぐわかるようなことであればそれは当時として調べ調べる価値もないし調べたとしてもすぐ終わっちゃうので自分の労力って検索ウインドウに入力しただけになってしまうわけだけれども、もっと手間をかけてやると他のところにはもう情報がないので手間をかけないと集められないような情報を集めてみるとかあるいは独特の問題の整理の仕方というのを示してやるというようなところもひとつ重要なところです。
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そういう風に独特のところを整理してやるとそれ自体で面白いと言うようなものが出てきます。

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またちょっとエンターテインメント的なものをいくつか貼ってあるのであとで見ていただければと思うんですけどこの「お茶がちょうどお茶じゃなくなる瞬間」って面白いんでこれだけちょっと。
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お茶のペットボトルはあるけれども。
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だんだんこうやっていくとおしっこに見えるんじゃないっていうのでじゃあお茶じゃなくなっていくのはどういうような条件なのかということ。
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コーラのペットボトルに入れるとこれおしっこっぽいとか。
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どこに置くかとか、そういうようなものによってだんだんだんだん条件を変えていくと見えるか見えないかっていうのを試していく。
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これに手続き的には結構アカデミックに近いものがあったりするんです。
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ただ問い自体があまりにもバカバカしいというようなところも面白いかなと。

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最初のうちは知らないと問いが立たないので、調べなきゃしょうがないんでだんだんその通りの精度が上がっていくと今度は問いが立つことによって調べが進んでいくというような、この繰り返しになっています。
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なのでトヨタだとなぜなぜ分析みたいな言い方をするんですけどなぜを5回繰り返すというふうに言われています。
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そうすると真の原因に近づいていくというわけですね。
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実際条件分岐があったりとかループがあったりするので一直線に来れるわけではないんですけれどもやり方はあると言うことで最近ゼミ生が2年生が回転ずし業界の成長について調べていたときのケースをちょっとお話しようかな。業界全体の市場規模が伸びていると言うことでそれが何でなんだろうというようなところから始まりました。
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で全然わかんないというふうに止まってたんですけどじゃあどの企業も成長しているのかちょっと見てみてねというと全部の企業がまんべんなく成長しているのかどうかをちょっと確認してみましょう。
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そうするとどうも違うとスシローとくら寿司とあとどこか1社くらいが伸びているかなというような感じだったことがわかった。
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じゃあそれぞれの企業スシローとくら寿司はおんなじ戦略で成長しているのかそれとも違うやり方でそれぞれに成長したのかで成長しなかったし企業と成長した企業の違いはどういったところにあるのか。
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そういったところを調べられるんじゃないかと。
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スシローはどうも値上げをしてちょっと高級ラインにシフトしたとようなことはわかる。
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では値上げをしただけで成功するのかというとおそらくそうではないでしょう。
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牛どんとか値上げしたら結構如実に人が減ったりするので値上げをすれば成功するというだけの関係じゃないだろうか。
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じゃあ成功する値上げっていうのは成功しない値上げとどう違うんだろうか。
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どうも価格だけではないでしょう。
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じゃあそれに見合った製品なのかどうか。
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じゃあターゲットはどうなってるんだと。
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いろいろ調べることがあるでしょうということでだんだんだんだん上意下達から次の調べる対象が変わる。
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で調べていくと次の問いが立つとここの精度が上げられるかどうかというのが結構トレーニングとして重要になってくる。

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理屈は大体しゃべったので、いくつか具体例を行うと思うんですけど先月ぐらいに僕が書いたちょっとWebにブログで書いたものをちょっと例として紹介しようかなと思います。
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大学の退学者のデータというのは文科省がまとめていてそれの速報が出たんですけれどもどうも退学者が減っているというようなことがわかった頃の話なのになんで退学者が減ったんだろうとというようなことがあとひとつクエスチョンとして業界のみんなが見ていたわけですね。
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僕はただ理屈を整理しただけなんですけれども仮説は複数出してやるとようなことで123と書いています。
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ということでひとつは文科省や各大学の政策的なサポートの結果だと。いろいろとお金を出したいと言うようなことをしたからなんというようなのが業界の中の人はこう信じたいですよねというような話をして。
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で2つめは対人ストレスとかが減ったんじゃないのとオンライン化によって通学しなくてよくなったなと。これは皆さんもコメント欄で書いてくれたところかなと思います。
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もう1校は大学以外の選択肢がなくなったからということで例えば退学する人の中には割とも就職しちゃったらもう卒業しなくても大丈夫ですみたいな人がいるようで、こういうような人が減ると実は大学の中に人が残る。卒業しないと就職先がなくなっちゃうよというふうに思う人が増えてくるというような話があるのです。
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退学者が減るというのは基本的に大学業界にとっていいことだと思われがちなので減るっていうのはあんまり社会的な状況が悪くなるとかえって大学にいなくてしょうがないというような人が増えるという。
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ひとつめふたつめまではわりとみんな思いつきやすいけど、3つ目に関してはわりと思いつきづらいところであるので注意したほうがいいんじゃないですか。
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過去のブログ記事を書いたわけですこれ別になんかすごくデータを見ているわけじゃなくてある種思いつきなんだけれども思いつきもすごくちゃんと整理をしてやるとある種の価値を生むというようになっています。
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思いつく限りのものを列挙しましたと言うようなタイプのものも一応価値を出してやるというようなやり方もあるわけです。
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例えば現象ベースの問いの立て方というのもあってプライシングの議論をしているときに生茶のペットボトルの価格は結構面白いと言うのを見つけられたらこれはこれでひとつの問いになったりするんですね。
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生茶は525ミリだと140円、555ミリはなぜか127円。なぜ安くなるのか。
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じゃあもっと安くなるのかなと思ったら600ミリは140円。525ミリと600ミリは一緒なんだというようなところで、ちょっと何か不思議な現象が出てくる。
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少ないほど安いというのはわかる。わかりますよね。
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普通に全部同じというのもわかる。多少増やしたところで微々たるもんなんだと言うようなものだったらわかると。
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ただこれはどっちでもないよということで不思議ですね。
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なのでこういったものというのは一つ何か現象ベースでぱっと答えが出なさそうなものというのを見つけられるようになるとわりと問いは立てやすくなってきます。
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あと僕もそのうちゼミでやりたいんだけれどもコロナで全然できないものがあってファッションビルのフロア構成とかを調べてみるというのは面白いかなと思ってます。
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伝統的なデパートというのは1階に化粧品を置きがちです。
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これは日本だけじゃなくて海外フランスとかイギリスとかでもそうで割とその昔の経緯があります。
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歴史的にはこれは検索すれば結構いろいろ、当時は馬車で、みたいな説明がでてきます。
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ところが最近のビルを見てるとあんまり1階に化粧品を置かないケースがあると渋谷の例を出すとスクラムスクエアは6階ぐらいのなんか中途半端なところにあったんですよ。
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ヒカリエは1階のところはちょっと入りづらかったりするんですけどどこにあるかというと地下潜ったところにあるんですね。
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地下1階のところにある。
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なんでこういうように変化してるのかとか新しいフロア構成ではどういう狙いがあってそこにどういう順番でそのフロアにどのフロアにどれを置くというのを決めているだろうかというのは1つ経営学っぽいリサーチクエスチョンかなというような感じがします。
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フロア構成の話も1個だけ見てるとあんまり問いにならないんだけれども複数見ているとそのばらつきが気になってくるんでとなんで有用なところの理屈づけというのが問いになってくるようなパターンかなというふうに思います。
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ということで問いの立て方についていろいろとお話をしてきました。
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でまだ1年生なんで全部ができる必要はないんですけれども。
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ユニクロを中心としたものについて調べてやっててそこからなんでなんだろうというような問いを立ててもうちょっと具体的な問いにできそうだったらちょっと調べてみるというようなことをやってみていただければと思います。
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提出までもう結構時間がなくなってきているので何かあったら個別の質問を寄せていただければと思います。
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次回からはまたちょっと普通の授業に戻りますのでとりあえず僕からのレクチャー的なものは期末レポートに関しては以上になります。
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あとは個別に対応をしていきたいと思います。

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