よくわからない状況下での選択に慣れる機会としての投票

1年生の経営学入門の受講生向けに書いたメッセージを転載します。

授業とは関係ありませんが、今日は参院選の投票日です。選挙といってもどう選べばいいかよくわからないかもしれませんが、日々の生活でも経営上の意思決定でも、どう選べばいいのかよくわからない局面というのは大量に存在します。1回きりでやり直しのできない局面も、大損につながりかねない局面もあります。年齢を重ねるほど、大きな意思決定をしなければならない局面は増えてきます。なので、大学生活を通じて少しずつ未知の意思決定に対して体を慣らしていくというのは非常に重要なことです。

幸いにして、投票というのは行っても個人的に得もしなければ大損もしないという意味では意思決定のトレーニングに向いている機会です。選挙は何年かに1度はあるので、生涯を通せばそこそこの回数の練習ができるという意味でもトレーニングに向いています。なんとなくでもいいので選んでみて、選んだあとで報道を見て世の中の人がどう考えているかを学ぶとか、1票でいろいろな意思を表明することのままならなさを感じるとか、選んだことによって生じる自分の認知の変化を楽しむ機会です。満足いかない中で何かを選ぶということにかかる心理的負担に慣らして、少しずつ社会に対する推論を磨き、いつか訪れる大事な意思決定の前の練習にするといいのではないかなと思います。

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