タイトルに言いたい内容が全て入ってしまっているので,あまり追加で書くことはないのですが,最近イベントなどの場でよく話す思いつきの1つです。ルールメイキングを広く普及させていくためには,若い頃からの教育で「ルールは守るだけでなく,作っていけるもの」という意識を涵養していくことが重要だと思うのです。
そこで手っ取り早いのは中学校や高校の校則です。校則の制定プロセスとして生徒達自身が生徒会を通じて関与する,ただし,そうやって制定したルールは,制定した人達が卒業してみんな入れ替わる3年を限度とする時限立法にする。そうすることで自分たちが自分たちのルールを決める,過去のルールは参考にはするけれども過度にとらわれない,そういう志向を作っていけるのではないかと思います。
携帯電話の利用ルールなど,そのルールに合理性があることはわかっていても,既に卒業した先輩達の振る舞いで決められたルールを自分たちが負わされることには理不尽な感じもするのではないでしょうか。自分たちにはなぜそのルールの設計に関与する機会がないのか。そのような不満に対する回答になります。
また,生徒や保護者など,なるべくマルチステイクホルダーによるルール形成を進めることで,理由のよくわからないブラックな校則(下着の色を定めるなど)を制限していくことが重要だと思います。
僕は本当は,国の法律も30年ぐらいの時限立法を原則としたらおもしろいのではないかと思っています。現実には,立法爆発と呼ばれるほど法律が増えているのと,国会や行政の処理能力に限度があるので難しいのですが。
伊勢神宮の式年遷宮も20年おきに行われることで,様々なしきたりや作法を継承しやすくなっていると言われています(20年だと1人の人が生涯で2回参加できるので,最初の1回で教わり,2回目で伝える立場を経験できる)。多少コストがかかっても,ノウハウの継承と再設計の機会をあらかじめメタレベルで設計しておくことのメリットは大きいのではないかと思います。