演習（3年生，2015年度）

シラバス

テーマ

マクロ環境分析：都市・集積・立地に着目して

講義内容

本演習の目的は，マクロ経済や社会環境の大きな動きや変化が，企業行動や個人に与える影響を読み解くための理論と分析手法を学ぶことにあります。本年度の演習では，マクロ環境の中でも特に産業集積と都市に着目します。マーケティングの観点からも，イノベーションの観点からも，また1人の生活者としてもどのような立地を選択するかということは重要な問題となり得ます。立地を共有する人々は互いに様々な外部性を与え合う関係にあり，その中には意図的な影響もあれば意図的でない影響もあり，設計できる部分もあれば創発的な部分もあります。立地がもたらす多様な影響について，様々な論者の論考を相互比較しながら読み解くことが本演習の内容です。演習の初期は，教科書とケースブックを用いて，マーケティングと戦略論の基礎を確認します。その後，一般の集積や都市に関連する啓蒙書水準の本（一部に研究書を含む）の抜粋を読み，産業集積と都市について学びます。

達成目標

様々な分析手法の中でも，特に，一般に入手できる公開情報を丁寧に読み解くことによって，社会の変化を理解し，商品企画のアイディアや，新しいビジネスの立案のヒントを得たり，あるいは世の中の企業行動の意図を理解できるようになることが目標です。

授業計画

ガイダンス
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』マーケティング
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』マーケティング
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』マーケティング
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』市場地位別の戦略
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』業界の構造分析
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』業界の構造分析
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』PPM
沼上（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』PPM
都市・集積・立地に関する輪読①ポーター『国の競争優位』or『日本の競争戦略』
都市・集積・立地に関する輪読②ゲマワット『コークの味は国ごとに違うべきか』
都市・集積・立地に関する輪読③ゴビンダラジャン『リバース・イノベーション』
都市・集積・立地に関する輪読④伊丹・橘川・松島（1998）『産業集積の本質』第3章，他
都市・集積・立地に関する輪読⑤伊丹・橘川・松島（1998）『産業集積の本質』第4章
都市・集積・立地に関する輪読⑥伊丹・橘川・松島（1998）『産業集積の本質』第6章，第7章
夏課題発表会
都市・集積・立地に関する輪読⑦ジェイコブス『アメリカ大都市の死と生』
都市・集積・立地に関する輪読⑧ジェイコブス『都市の原理』
都市・集積・立地に関する輪読⑨サクセニアン『現代の二都物語』
都市・集積・立地に関する輪読⑩フリードマン『フラット化する世界』
“都市・集積・立地に関する輪読⑪ブリニョリフソン『機械との競争』第1章～第3章
都市・集積・立地に関する輪読⑫モレッティ『年収は「住むところ」で決まる雇用とイノベーションの都市経済学』第1章第2章
都市・集積・立地に関する輪読⑬モレッティ『年収は「住むところ」で決まる雇用とイノベーションの都市経済学』第3章～第5章
都市・集積・立地に関する輪読⑭フロリダ『新　クリエイティブ資本論』
都市・集積・立地に関する輪読⑮フロリダ『新　クリエイティブ資本論』
都市・集積・立地に関する輪読⑯福嶋路『ハイテク・クラスターの形成とローカル・イニシアティブ』
都市・集積・立地に関する輪読⑰増田寛也『地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減』第1章，第5章，対話編1
都市・集積・立地に関する輪読⑱空き家問題について（未定）
各論の比較検討
各論の比較検討

成績評価方法

毎回のレジュメや発言等を元に，総合的に判断します。

学修に必要な準備

毎回文献の要約レジュメを全員が作成します。この他，夏期休暇中にグループワークを行います。

テキスト

沼上幹（2008）『新版　わかりやすいマーケティング戦略』有斐閣。

参考文献

沼上幹・一橋MBA戦略ワークショップ『戦略分析ケースブック』東洋経済新報社，各年版。

履修上の注意

無断欠席を禁じます。やむを得ない理由による欠席を除いて、毎回の出席が求められます。

毎週の予習の他，夏休みには課題を課します。

受講者の理解度に応じて、トピックや進度を調整・変更する場合があります。

教員の連絡先は，初回講義時に開示します。