文系研究者の整理整頓とファイリング

研究者にとって地味だけれども大事な仕事が,研究室の整理整頓です。自己流の積み重ねになりがちな研究室の整理整頓についての考えと,使用しているグッズを紹介したいと思います。

総論

文系の研究者はデータや文章をインプットして,論文やその他文章をアウトプットするという点で,純粋なホワイトカラーです。このような職業研究者にとって,蓄積した本やその他の書類は,資産というよりも仕掛品や在庫であるという認識を持つ必要があります。溜まっているデータは,論文なり何なりのアウトプット先を見つけてやらない限りは売上がたたないまま保管されている在庫や部品の山であるという認識を持っておくと良いでしょう。

紙媒体には空間を占有するというコストがかかっているので,私は基本的に紙媒体をアウトプットに近い仕掛品に回し,複数回使用するような資産的な本は電子化する方針でいます。紙媒体で保存し続けなければならないものは契約書や辞令,領収書など,最低限少数に留め,その他のものはなるべく捨てることで空間を有効利用する方針です。

とにかく書類や本を捨てることができないと,研究室がどんどん倉庫と化して稼働できる空間が減っていき,作業効率を下げることになってしまいます。理系であれば,外部研究費でスペースを拡張することもできるかもしれませんが,一般的な文系研究者の場合は限られたスペースをやりくりする他に選択肢は少ないです。

会社員経験のない研究者は,一般的なオフィスの片付けを習う機会がないことが多いので自学自習する必要があります。『トヨタの片づけ』や『[図解]トヨタの片づけ』は書類を捨てる基準について学ぶことができる良書です。

書類のフロー

1. 捨てる
2. 電子化して捨てる
3. 電子化して保存→後に捨てる
4. ひとまず紙媒体で保存→後に捨てるor電子化

電子化

電子化する書類は優先度が極端に高いものか,当分使わない優先度の低いものか,このいずれかです。①最優先で使用するためにクラウドにあげる必要のある書類,書籍の類いはその都度電子化する必要がありますし,②当分使わない書籍の類いは,場所を空けるために電子化する必要があります。こちらは学期終わりや長期休業期間中などに気分転換に電子化を進めます。

裁断機とドキュメントスキャナは定番のものを使っています。

 

紙媒体の整理モジュール

紙媒体は量別に4階層のモジュールにしています。研究室は意外と引っ越しが多いので,なるべくそのままひとまとめにしてすぐ運べるようにしておくことが望ましいです。

1. クリアホルダー
2. 2穴フラットファイル
3. A4ファイルボックス
4. 蓋付き収納ボックス

収納用品

① クリアホルダー

日~週単位の仕掛品,送付物や提出物,配布物など。何でも良いが安い物を大量に買っておきます。

② 2穴フラットファイル

僕は3色で色分けして①論文(白or黄色),②研究資料(緑),③学内行政事務,学会事務など(赤)としています。

穴開けパンチも必需品です。

③ A4ファイルボックス

半期単位の仕掛品をとりあえず投げ込むためのボックスです。各講義別ボックスや遂行中の研究別ボックスがあります。

④ 蓋付き収納ボックス

あまり使わない物,量が増えてきた物を収納しています。研究業績ボックスや研究資料ボックスなどがあります。

タイトルとURLをコピーしました