この前3年ゼミ(4月開始)が始まったばかりなのに,もう2年ゼミ(後期から開始)の募集時期らしいです。國學院大學経済学部「演習I」の募集要項です。公式の文書はwordで2ページの字数制限があったので、若干追記しています(追記部分をイタリックにしています)。
2020/06/28追記 28名の書類提出(K-SMAPYII上の登録では27名)があり,12名を2期生として迎え入れることにしました。
選考は成績(GPA及び取得単位数)と書類内容の両方を鑑みて行いました。
今年度は応募者が多かったため,成績上位者がある程度多い印象を受けました。
落選者のGPA平均は2.34,最大値3.23,
選考通過者のGPA平均は3.05,最小値2.42でした。
選ばれた人をみると成績上位者が主ですが,成績が良ければ自動的に選ばれるというわけではありません。成績が下位の場合は,逆転に足るだけの書類内容が必要になるので,文章力が要求される選考となったのではないかと感じています。
2020/06/18 18:00追記 ゼミ応募の中間状況ですが,18日15時現在,教務課から報告のあったK-SMAPYII上のアンケートでの志望者は7名でした。私宛に書類を送付済みの人は6名,片方のみしか済ませていない人がいるため,全体では8名が応募の意思を表明しています。応募にはメールでの書類送付とK-SMAPYIIにおけるアンケート回答の両方が必要ですので,注意して下さい。
応募者がこのまま10名-12名程度に収まれば絶対評価のみ(成績が著しく悪い場合や書類不備の場合のみお断りする)で評価,13名を越えるようであれば相対評価で選考を行います。10名を下回ったら二次募集するかもしれません。
追記終わり
関連リンク
- 正規の募集要項
- 学生委員会発行のゼミ紹介冊子(うちのゼミはほとんど書いてないですが)
- 余談:「ゼミの選び方に関する私見だらだら」
(1) テーマ
2年次、3年次:企業の調査方法と分析手法の習得
4年次:ビジネス・エコシステムの理解とオウンド・メディア作成実践
(2) キーワード
2年次、3年次:経営戦略論 イノベーション論 調査法 企業分析 業界分析 因果関係 研究方法
4年次:GAFA プラットフォーム・ビジネス 広報 PR Webマーケティング コンテンツ・マーケティング ブランディング 作文 編集 メディア
(3) ゼミの進め方(合宿など正課授業以外を含む)
演習I(2年生・後期)
2年次はイタリアンチェーンのサイゼリヤをとりあげ、マーケティング分析や財務諸表分析、他企業との戦略比較等を行います。単一事業で、みなさんにとって身近な企業を対象とすることで、まずは企業情報の収集と分析の練習を行います。情報整理の一環として、創業者の正垣泰彦会長が書かれた『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』を読むところからはじめ、財務情報や雑誌記事の収集へと進めていきます。
演習II(3年生・通年)
前期は学術研究者の書いた良書を2冊ほど読み、そこで想定されている因果関係を正確に読み解く練習をします。いまのところの候補は
・筒井淳也(2015)『仕事と家族』中公新書。
・清水洋(2019)『野生化するイノベーション』新潮選書。
・前田健太郎(2019)『女性のいない民主主義』岩波新書。
・ハロルド・ウィンター (著), 河越正明 (訳)(2020)『やりすぎの経済学』大阪大学出版会。
です。他に良い本が出版されたらそちらに切り替える可能性があります。
3年生の後期は、再度企業分析・業界分析を行います。TSUTAYAや蔦屋書店などを経営しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を分析対象として、特に共通ポイント市場(Tポイント、dポイント、楽天ポイントなど)の分析を行う予定です。CCCは多角化企業であり、業態転換中でもあるので、分析はやや難しめです。分析内容の進展次第では、3年生の春休みにも分析や執筆を続けてもらう可能性があります(スプセではなく正課授業外の作業になります)。
演習III(4年生・通年)
を築いている状態のことをいいます。例えば,AmazonのウェブサイトではAmazonだけでなくいろいろな業者が自分たちの商品(古本など)を販売しています。古本業者は自分の品物を売らせてもらう代わりにAmazonに一定の手数料を納めます。新品だけでなく古本も集まることで,Amazonの品揃えはますます良くなり,多くの消費者を集めることができます。あるいは,皆さんが日頃見ているYoutubeでは多数のユーチューバーが動画をアップロードし,動画の冒頭や途中には様々な広告主が広告をだしています。広告収入はYoutubeの収入となるだけでなく,ユーチューバーにも分配されます。
このように,現代のビジネスでは,GoogleやAmazonといった巨大企業の提供する「プラットフォーム」に多数の企業や個人が参画し,お互いの利益になる共生関係を形成しています。このような企業間関係のことをビジネス・エコシステムと呼びます。4年ゼミでは,このビジネス・エコシステムやプラットフォーム経済について,本の輪読と実習を通じて深く学んでいきます。
Googleを中心とするビジネス・エコシステムの仕組みを学ぶために,輪読の他に、実際にインターネットに文章をアップロードして,ウェブサイトを作成し、アクセス解析を行います(最近のビジネス用語では,オウンド・メディアやコンテンツ・マーケティングとよばれる内容になります)。
Googleの検索システムで上位にヒットするようなウェブサイトを作成するにはどうすればいいか,実践を通じて勉強していきます。サイトの内容としては「ゼミで学んだことをわかりやすくまとめて紹介する」「高校生や大学生の役に立つ内容を掲載する」とだけ決めていますが,それ以外のことはゼミ生の話し合いで決めていきます。この実習を通じて,ビジネス・エコシステムで生き抜く難しさを実感すると共に,作文の技法を学び,文章の書き方の上達を目指します。僕の前任校のゼミ生たちが書いた学生ブログも確認できますので、参考にしてください。
従って,4年次のゼミは「経営戦略」と「広報・PR」の両方にまたがった内容であり,2種類の学生をターゲットとしているといえるでしょう。ひとつのターゲットは,GAFAと呼ばれるような巨大IT企業の仕組みや戦略について勉強したいという学生です。もうひとつのターゲットは,広報やWebマーケティング,メディアなどの職種・職業に関心がある学生です。
(4) 演習Ⅳ以外で論文などを課す場合の詳細(枚数や時期など)
演習I(2年生)、演習II(3年生)の年度末に4000字以上のレポートを書いてもらう予定です。本ゼミでは4年次のいわゆる卒業論文は書きません。ただし,どの年次も輪読のレジュメや、レポート作成、ウェブサイト執筆など、絶えず何かしらの文章を日常的に書いたり直したりすることになるので,文章を書くのが嫌いな人には向いていないと思います。
(5) 先輩たちの主な就職先と傾向
今回が2期生の募集になりますので,まだ卒業した先輩はいません。
(6) 教員について(自己紹介等)
1984年兵庫県神戸市生まれ。2007年一橋大学商学部卒業,2013年一橋大学大学院博士後期課程修了,博士(商学)。一橋大学イノベーション研究センター特任助手,東北学院大学経営学部准教授を経て,2020年度より現職。その他の詳細は自己紹介のページを参照してください。
本学における主な担当科目は「経営組織」ですが,ゼミの内容は組織論と関係ないことが多くなると思います。ただし,ゼミ生の関心に応じて戦略論・組織論・イノベーション論あたりのトピックには対応可能です。
(7) その他
- ゼミ生には,本や各種情報をよく読み,文章をよく書くことが求められます。戦略や広報というと華やかな印象があるかもしれませんが,基本的には地道な改善作業の積み重ねです。
- 合宿等は予定していません。懇親会も、教員からの提案は年1,2回程度の予定です。
- 本ゼミは毎学年違う内容を実施し、学年を越えた交流は少なめの予定です。
- 選考基準としては成績と提出書類を重視し、面接は確認程度の予定です。がんばって書類でアピールしてください。