ポスドクは何を売る職業か

某所の時間雇用職員の公募で,海外留学を経た博士号持ちに「時給1900-2100円」という表記がちょっと話題になっていた。確かに要求水準のわりには低いけど,ありえない水準ではなくて,週30時間,50週で2000円で年収に換算すると300万である(ポスドクは週30時間契約であることが多い。フルタイムで週40時だと年収400万)。別の算出を試みる。博士課程の学生のアルバイトがだいたい時給1300円,単位取得退学のポスドクで1600円,と足していくとまぁ1900円ぐらいというのもまぁありえない範囲ではない。

時給2000円ぐらいとなると,スキルのある派遣社員なら充分に達するラインである。薬剤師とか,翻訳業とか。スキルの切り売りでいいなら,ポスドクやるよりも翻訳かなにかに集中したほうが市場価値も,売りこみやすさの面でもお得。

派遣社員とポスドクでは職務の自由度が違う。その自由度をポスドクは買っている。創造のための自由である。こいつ,自由にさせておくとおもしろいこと言うぞ,大事なこと言うぞ,という価値を示せてやっとこさ次のステップに進める。何はともあれこの猶予で業績つくらにゃなあ。という計算。

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