こんにちは!今回は、尾田ゼミ紹介第2弾として、また授業の一部を紹介していこうと思います。
前回のサイゼリヤとスシローの財務分析を比較していたものの続きです。
授業内容
回転寿司業界はなぜ売上高が伸びているのか、というところからでしたね。それでは発表してもらいましょう。
今回は、回転ずし業界の大手3社の比較をします。
かっぱ寿司とスシロー、くら寿司の売上・経常利益・ROAの推移を調べました。
一部、データが得られず、飛んでいる部分もありますが、グラフを見ると、スシローとくら寿司は売上・経常利益が上昇しているのに対して、かっぱ寿司は、2010~11年を境に減少傾向にあります。
このことから、この期間の戦略の差が、現在の業績に影響しているのではないかと考えました。
まず、売上のデータにマイナスがないなら縦軸のグラフは直した方が良いね。
あと、かっぱ寿司の2014~2015年の売上は10分の1くらいに減少してるけど、数字はあってるのかな?桁が間違ってないか確かめてみた方がいいかもね。
はい。
次に戦略を見ていきますが、その前にスシローの2012~2015年の間のROAが激減しているので、そのワケを調べつつ予想してみました。
3年間で、スシローの総資産が10倍になっているため、利益の変化はなくとも、ROAが減少したのではないかと思います。
総資産が増えた原因については、明確には分からなかったのですが、スシローが2012年から2015年にかけて、CEILジャパン株式会社の傘下に入り、子会社化したこと等が考えられます。
スシローはこれよりも前に経営不振になって金融ファンドの手に渡ったり、また独立したりしてるんだね。
ガバナンス体制がどう変遷しているのかをもう少し前から調べてみてもいいかもね。
では、2010年頃からの戦略を見ていきます。
回転ずしが流行りだした頃はどこも100円均一という安さが売りでした。しかし、そこから徐々に個性が出てきました。
スシローは安さから品質重視へと方針転換しました。
くら寿司は子供や若い女性をターゲットとした戦略を打ち出していきました。例えばビックラポンなどのゲームを導入したり、インスタ映え、糖質オフのメニューを導入していきました。
実際に2015年頃から若い女性の利用が増えています。
内容には関係ありませんが、調べてきたデータの出典元をしっかり記載するようにしましょう。
2015年頃から女性の利用が増えた背景としてスマートフォンの普及があると考えました。このグラフを見ると、10代のスマートフォン普及率が2013年から2015年にかけて増加しています。これによって放課後の遊び場として、低コストで長居できる回転寿司の利用が増加したと考えられます。
スマートフォンが普及すると、10代だけで放課後に遊びに行くことが増えるのではないかというわけだね。
疑問なんだけど、回転寿司屋って放課後の遊び場に適しているようなところに立地してるの?
女子高生が放課後にカフェの代わりに利用しているというのはよく耳にします。
なるほどね。
そのへんの証拠が報道とかであるのであれば、それを提示したほうが説得力は増すと思います。
今の発表だとロジックが少し遠いので、一つ一つの因果がどのくらい確度があるのかなという印象ですね。スマートフォンが普及しなかったときは遊びに行かなかったのか?とか。
次に、なぜメニューを増やしても利益が出るのかについて調べました。
サイゼリヤの場合は、メニューの増加によって食材数が増え、その結果利益が出にくくなるという考えでしたが、スシローやくら寿司はビッグデータ解析による廃棄ロスの削減、現場の効率化、マーケティング利用などによってどの商品がいつ多く食べられているのかを分析することで、流す商品を決め、利益を改善しました。
反対に、かっぱ寿司は低価格路線を重視したことで、高価格商品の導入では他の競合他社に後れを取ってしまったため、伸び悩みました。
なるほどね。
全体に伸びているのではなく、なんで伸びたのかということが企業別に違うということが分かったのは、前回からの大進歩だと思います。
ここからは証拠の確からしさを伝えるようなタイプの作業に行けると思うので、一つ一つの証拠に対して、文献リストを加えていく作業をすることと、全体の構成をもう少し練っていくことをすると良いと思います。
例えば、今回の発表で指摘すると、スシローとくら寿司の話の後にスマホ普及率の話がくると内容がふわっとしてしまうかな。その後にかっぱ寿司の話に戻ることで、3社比較の話だったのか、と本題に戻る感じがするよね。
なので、内容をもう少し整理できると、どの要因がどこに効いているのかがはっきりとわかると思います。