経営学はどんな学問なのか。まず覚える4つの分類

史上最短の経営学の説明(16字)

「経営学は企業を対象とした学問です。」

経営学について一番短い説明文を考えてみると上記のようになりました。どうでしょう。ちょっと短すぎてわかりにくいかもしれません。職業柄,僕は高校生相手に経営学がどういう学問なのか,経営学部や商学部がどういう人に向いているかを講演することがあります。この記事ではその内容を簡単に紹介したいと思います。

ある学問を紹介するためには,大きくわけて2つの説明方法があります。ひとつは,他の学問との違いを説明する方法です。よくあるのが「経営学と経済学は何が違うのか」「数学と物理は何が違うのか」を説明することを通じて,それぞれの学問のキャラクターを知ってもらう方法です。「AさんはBさんとこういうところが似てる,でもこういうところが違う」という紹介をする方法です。

もうひとつは,この記事で試みる方法なのですが,経営学の中身をちょっとだけ紹介する方法です。「Aさんは身長はこのくらいで,性格はこんな感じで,いつもこういう活動をしている」「高校数学は,関数と数列,ベクトル,微積分などの細分野からなっている」こういう説明の仕方です。以下では経営学さんのプロフィールを簡単にご紹介しようとおもいます。

もう少しだけ長い経営学の説明(2000字ぐらい)

経営学の中身は,企業を対象とした2×2の4分野からできています。

「経営学は企業を対象とする学問です。」これが一番短い説明なのですが,もう少しだけ詳しくするために,経営学をえいやと十字に切って4等分したいと思います。

ひとつめの切り口として,「企業の中身」と「企業の関わる外側の世界(外部環境といいます)」を分けてしまいます。経営学は企業の中身について考える分野と,企業の外部環境について考える分野に分かれています。

もう一つの切り口は,資源です。企業はいろいろな資源から成り立っています。お金も必要ですし,働く人も必要です。材料や機械などの物も必要です。ヒト・モノ・カネなんてまとめて言ったりします。このような資源をざっくりと「お金」と「お金以外(人や物など)」に分けてしまおうと思います。お金は企業の資源の中で一番数えやすいものです。逆に,人の気持ちは数字にするのが難しいです。この2つは性質が違うのでとりあえず分けておきたいとおもいます。

この2つの切り口によって,経営学は4つに分割できます。それぞれの分野の名前は次の図のように「アカウンティング」「ファイナンス」「マネジメント」「マーケティング」という名前がついています。

ユニクロを例に,4つの分野を紹介します。

ここで,4つの分野を紹介するために具体的なビジネスとしてユニクロ(企業名はファーストリテイリング)を想定してみましょう。ユニクロは東レと一緒にエアリズムなどの素材を糸から開発し,東南アジア諸国などで製造を行い,日本や世界各地に店舗をかまえて衣料品をみなさんに販売しています。

ユニクロのような企業について学んだり,考えたりしようにも,ユニクロのやっている事は非常に多様な活動の集合体です。そこで先ほどの4分類が,まあざっくりとですが最初に覚える見取り図としては役立つわけです。

ファイナンス(金融)

ユニクロが経営をしていくためには工場を建てるにも人を雇うにもお金がかかります。このようなお金は最初は企業の外からやってきます。銀行からお金を借りたり,株主に出資してもらったりします。そのお金でビジネスをして,銀行には利息をつけてお金を返しますし,株主には配当金や株価で報いることになります。このような「企業の外側」との「お金のやりとり」について考える分野を表の右上のファイナンスといいます。

アカウンティング(会計)

借りてきたお金は大切に使わなければいけません。服を製造したらいくらかかったのか費用を計算し,お客さんに服が売れたらその売上を記録し,いくら売れて,いくら儲かったのかをいろんな人に報告する必要があります。税金の計算もしなければなりません。このような「企業の内側」での「お金の動き」を計測し記録し報告する分野のことをアカウンティングといいます。表の左上ですね。

マネジメント(管理)

これでお金に関する2つの分野を説明し終わったので,次にお金以外の資源である人や物について考えてみましょう。ユニクロを営むファーストリテイリングという企業グループには5万人以上の従業員が働いています。このような従業員がやる気を出して,働きやすい環境を整えることも企業経営にとっては大事な課題です。もちろん,働きやすいだけではなく,がんばって働いてもらう必要もあります。適材適所を考え,みんなが一体となって目標に向かって協調する必要もあります。物を効率的につくる方法を考えることも必要です。本格的な部分は工学系の人たちが取り組むことですが,経営を考える上では全部を人任せにはできません。このような「お金以外の資源」が「企業の内側」でどのように動かすべきかを考えるのがマネジメントといいます。

マーケティング

最後に残ったのは「お金以外の資源(人や物)」で「企業の外側」です。企業の外側にいる人にはいろいろな人が居ますが,企業にとって最も重要な外側の人たちは消費者です。消費者がどんな物を欲しいと思っているのか,あるいは,ある物やサービスを提案したらどのような反応が返ってくるだろうか,このようなことを考える分野がマーケティングです。

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まず覚える4つ,なんなら2つ

経営学について,経営について勉強してみたいなと思ったら,まずは最低限覚えることはこの4分野,なんなら「企業の内側と外側を分ける」「企業の資源をお金とそれ以外にわける」この2つさえ覚えておけば,2×2で4通りだったな・・・と思い出せるはずです。これさえできればまずは経営学の第一歩は果たせたと言えるでしょう。どの分野に一番興味を持ちましたか?いろいろと調べてみてください。

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